『…星月に見て欲しいものがあるんだ』



そう言って、美優はポケットからスマホを取り出して触っている。



『私と敦斗くんが付き合い始めた時、このLINE、蓑島くんに見られてるの』



LINE?

そういや…。



《こんな真っ昼間から『好きだよ❤️』『私も大好き❤️』だなんてLINEしとるでー!》

《蓑島あぁぁっ!急に後ろからスマホ見るな!バラすなあぁぁっ!》



こんなことが教室であったような…。

LINEの相手は美優だったんだ。



その画面を見せられる。




《美優マネ好きだよ❤️》

《私も大好き❤️》




まあまあ、アツアツで…。




『このLINEを蓑島くんに見られてるの』

『…これを?』

『…でもね。敦斗くんが言ってた。これを覗き見されて、相手が私ってことがバレたって。でも…蓑島くんは気付かないフリしてたって…』

気付かないフリ?



《でも名前見えんかった。誰?誰?スマホ見せて》



あ…。

そんなことも言ってたような。



『おもいっきり《美優マネ》って名前が入っているのに、知らないフリしていたって。見えなかったって、見えないワケないでしょ?』