「他のマネは部員にドリンクやタオル渡して、裏声使って楽しそうに話して愛敬振り撒いているその影で、せづマネは休むことなくせっせと働く。不憫だね…って、みんなと話してたんだけど」

「そ、それは私、働くの好きだから…」

「星月はもう少し良い思いしていいんじゃない?それに、悠介と一緒にいれば、楽しい思いさせてもらえるよ?」

そう言って、横川さんは蓑島くんをビシッと指差す。

その蓑島くんは「イェーイ!」とドヤ顔でピースしていた。



しかし、誰が想像しただろうか。

まさかのまさかで、彼女が自分の彼氏を勧めてくるなんて。




「…あの、横川さん」

「ん?あ、ゆらで良いけど。何?」

「あの…いいんですか?」

「え?何が?」




私が何を聞きたいのかわからないようで、横川さんは目を少し見開かせていた。

でも、聞かなければ。



「だって、横川さん…蓑島くんと付き合ってるんですよね?自分の彼氏、他の女に取られていいんですか?」




私の質問に、横川さんはきょとんとした顔を見せる。

驚いてる?

驚いた顔も美少女は可愛い。




「…え?私と悠介?…付き合ってないけど?」



え…。