「町内会違うからそんなに近くない」
「バカヤロー。でも方向一緒だろ。迎えに来てもらえ…ね?せづマネ…あれっ?」
「せづマネ、何で逃げてんの?」
またまたダッシュで逃げてきてしまった…。
何を…一緒に登校するとか何とか!
勝手な話をしないで!
今の私にはそんな冗談はキツすぎる!
浮気相手とツラッとこいて登校する?!
本妻の目の前で、堂々と彼と腕を組む悪女みたいな?
そんな深夜ドラマレベルのドロドロした状況、誰も求めてないぃっ!
…や、やめてえぇぇーっ!!
全力で走り走って、部室の前まで来てしまった。
みんなが小さく見える。
(あぁ…)
経験ゼロだった真っ白ピュア女子が、一夜にして愛人悪女になるとか、やめてよね…。
クリーンでいたいのに、クリーン…。
そんな罪悪感の苦しみに一人でもがいているうちに、練習は始まる。
さあ、私達マネも業務に取り掛かろう。
あ、そうだ。
昨日受け取った備品、片付けないと。
部室での作業。
瞳真の姿を目にいれることもない。
名案だ。



