全部…思い出される。
心地よかった、あの感覚も。
のぼせそうなのは、ずっとお風呂に浸かっているからだけじゃない。
なんか…。
(よかったかも…)
…あ。
あぁっ…ああぁぁっ!
だ、ダメ!ダメだって!
振り切るように、頭をブンブンと横に振る。
残念ガッカリで、後ろめたさ満載のあのキスを!
何をよかったと思っちゃってるの!
彼女がいる人とのキスだよ?!
何もよくないでしょ!
それを良いと言ってしまえるほど、私、大人の悪女ではない!
背徳のスリリングな恋愛とか、秘密の密会、期待してない!
…何故かエロ女設定?
エロ雰囲気あるって言われてるから?!
エロ女…あぁ。
雰囲気だけではなく、本当にエロ女なのかもしれない。
私、確か経験ゼロのピュア女のはずなんだけど…。
あぁ…。
…私、ただ、好きな人と愛し愛されたいのに。
純粋に、愛しく思われたい、大切にされたいだけなのに。
何を考えてるかわからない、セクハラしてくるクラスメイトや。
彼女がいるのに私に手を出す幼なじみや。
よく分からない、こんなのばっかり…。



