初めてのキスに、こんなことありますか。
部室にて、しばらくそのままボーッとする。
しかし、いつまでもボーッとしているワケにもいかないので、帰ることにした。
すっかり陽も沈んだ暗闇の中、戸締まりをして帰路につく。
でも、足取りがフワフワとしていて、半ばボーッとしながら帰り道を歩いていた。
キス…しちゃった。
キス…。
初めてのキスの味を思い出しただけで、火が吹いてるんじゃないかと思うぐらい、頭が熱くなる。
あの時のことを思い出すと、どうもこうもならない。
恥ずかしい…!
…でも、逆に。
私、何てことをしてしまったんだろう。
彼女のいる人と、キスするなんて。
浮気相手…!
だなんて、罪悪感もセット。
(ああぁぁ…)
頭の中は、忙しかった。
「ただいま…」
家に帰ると、ちょうどご飯が出来たのか、お母さんが食卓にごはんを並べている。
「せづ、おかえりー!ごはん出来てるよー」
「あ、うん…」
とりあえず着替えようと、階段を上がって部屋へと向かう。
何となく、お母さんの顔を見れなかった。