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瞳真の腕の中の温もりと、唇が心地好くなっていて。

されるがままに、何度も何度もキスをされていたけど。



コンコン、と鳴る部室のドアのノックの音で、ハッと我に返ってしまう。



誰か、来た?!



音と同時に、お互い離れる。

感じていた温度は、フッと消え去った。



「………」



瞳真は、ノックの音がしたドアを無言で見つめている。

まるで、睨み付けるかのように。



そして、私の方を見る。

目が合うと、心臓が跳ね上がるかのようにドキッとしてしまった。

な、何…?



しかし…。



「…お疲れ」



…え?!

何か、あっさりしてない?!

まるで何もなかったかのように…。




瞳真は私を置いて離れていき、部室のドアに手を掛け、開けた。

しかし、そのドアを開けたその向こうにいた人物を見て、私は体が弾けるかと思ったくらいの衝撃に見舞われる。



あっ…嘘ぉっ!



「…え?!と、瞳真くん?!何で部室にいたの?!」



そこには、私と同じく。

部ジャージ姿の美優がいた。



ま、まずっ…!



「…え?星月?」



私の存在もすぐにバレる。

一気に全身血の気が引いた。



まずい。まずいよ、これ…!