唇が離れた隙に異を唱えるが、聞き入れてもらえず、また唇を重ねられる。

何回も何回もキスされて…もう、苦しい。

息だけじゃなく、心も。





…こんな結果、誰が想像しただろう。





何で、こんなことになってるの?

何で…瞳真に抱き締められて、キス…されてるんだろう。



突然のことで、強引で、何が何だかわからなくて。

すごく、恐い。



不安と緊張で、体がガチガチに強ばっていた。




…でも、そんな感情の裏では。




強引だけど、瞳真の腕は温かくて。

その温もりが心地好くて。

その中に溶け込んでしまいたくなる。



「星月…」



囁かれる柔らかい声は…耳の中にスッと入っていき、すごい落ち着く。



唇の温かい温度も感触も、初めてのはずなのに初めてじゃないような気がして。

強ばっていた体の力は、徐々に抜けていく。



抱き寄せられた体を押し退けようとしていた手は、いつの間にか、キュッと軽くジャージの胸元を掴んでいて。

少しばかりか、瞳真に体を預けてしまった。




(瞳真…)





それは突然で、無理矢理で。

すごく嫌なはずなのに。



温もりが心地好くて。

ずっとこうしていたい。



そう思ってしまった。




そう思っちゃ、いけないのに…。