結局、蓑島くんの世間話で昼休みが終わる。
あまりにもまったりし過ぎてしまって、予鈴と共に教室に駆け込む状態となってしまった。
息つく間もなく、すぐに授業が始まってしまう。
ガランと静かで、先生の声のみ響く現国の授業中。
私は…頭を抱えて、違うことを考えていた。
蓑島くんとの関係…偽物カップルの関係を、終わらせてもらえない理由。
わからない…。
何故なのか知りたくて、蓑島くんと関わっても。
理解するどころか、謎がどんどん増えていくばかりだ。
《星月はそんなの全然気にしなくていい》
何で、私には何も気にしなくていいって言うのか。
そんなこと言われたって、気にしないワケにはいかない。
どうしても、横川さんの顔が浮かんでしまう。
どういう意味?
《星月は特別》
特別って、何?
どういう…意味?
『たった一人の愛しい人』という意味の特別ではない。
蓑島くんにとってのそれは、私じゃない。
じゃあ、どういう存在の『特別』…?
憶測、想像が全然拡がらない。
謎だらけで頭を抱える。
しかし、何度考えてもわからないので、解決せずに。
ボーッと考えては、ため息をついてしまった。
(蓑島くん…)
蓑島くんにとって、私は何?
何もわからないよ。



