「んー?」
肩に頭を乗せて寄りかかっている状態でご満足なのか、甘えた声で返される。
そうこられると、何でか困ってしまう。
「…何で、ダメなの?」
「………」
「何で終わりにしてくれないの?」
「…星月は何で終わりにしようと思ったの?」
「………」
逆質問も、結構困る…。
答えられないでいると、蓑島くんはその続きを話す。
「…ゆらと俺の話を聞いてそう思ってるんなら、星月はそんなの全然気にしなくていい」
「でも、横川さんに悪いでしょ!」
「悪い?何で。俺がいいって言ってるんだから、いいの。星月は特別」
「………」
そればかり…。
全然全く話が見えてこない。
それに、否定しないんだ。
横川さんとのことは。
私が『特別』?
何の特別なの?
「…独りで傷付かないように、傍にいるよ」
「………」
この発言。
やっぱり、ホラー展開になっているんだろうか。
「星月が泣かないで、笑っていられるようにって、傍にいたいんだけどさ……」
「…ん?何?」
「………」
そう言いながら、完全に私の肩に顔を埋めてしまい、言葉の続きが聞こえなかった。
顔の感触がくすぐったくて、ビクッとしてしまい、あまり気にしなかったけど。
もう。どうしよう。
晴天の日差しが降り注ぐ屋上は、気持ちとは裏腹にのんびりしていた。
『……もう、終わりかな』



