蓑島くんに何があったのか、どうしたのか…何となく気になってしまう。
一度は好きになった人…なりかけた人?
その点はどうも微妙だけど。
だから、気になっちゃう。
でも…自分から『終わりにしない?』と言ってしまった手前。
今さら『どうしたの?』なんて、聞けない…。
でも、気になる。
でも…聞けないっ!
ジレンマに襲われ、蓑島くんの姿から目を逸らす。
ダメ。ダメダメ。
蓑島くんのこと考えちゃダメ。
もう、私達の関係は終わりにしないとダメなんだから。
向こうがダメだと言っても。
ダメ。ダメダメ。
ダメ…。
「…ねえ、せづ?」
(…はっ!)
な、何で!
私を呼んだその声は。
…紛れもなくダメだと言った、彼だ。
恐る恐る振り返る。
私の背後には、本当にそのダメな彼がいた。
いつものキラキラスマイルを私に見せている。
「…み、蓑島くん?!」
「せづ、一緒に屋上行こ?」
「…えぇっ!な、な…」
「俺、お昼まだなんだよ。だから、行こ?」
「な、な、な…!」
『な』ばっかり言ってる私!
…でなくて、何で!
何で私と屋上…!



