「二人がキスしてんのは…結構目撃されている。中学校の時だけど…人気のない校舎の隅とか、帰り道二人きりだとか、あと…」

斗弥子もだんだん小声になっている。

自然と私達は頭を付き合わせて、こそこそ話状態となっていた。



「…私の上の兄貴、横川家の長男と同じ学年で、少年野球も一緒にやっていて、親友ばりに仲良しなんだ。高校別でも地元仲間で、今もつるんでる」

「斗弥子のお兄ちゃんと横川さんのお兄ちゃん、友達なんだ」

「…その兄貴が、私の兄貴によく話をしてるらしくって、そこから私の耳に入ったって感じなんだけど…」



それは、決定的な証拠で…。





いやー。あいつら、昨日部屋でヤッてたわー。

声、デカくてうるせーの。

妹の喘ぎ声聞くって、超複雑だぜー?





「…ひえぇぇぇ!兄に聞かれるとか!やめてぇぇ!」

「そこで、私は失恋しました…」

「…斗弥子が蓑島くんのことを好きだった時の話だったんだ…」



何となく感付いてはいたけど。

やっぱり…。



「今もその関係が続いているかは、最近聞かないからわからない。…でも、端から見て二人の距離、親密さは中学の時と変わってない」