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幼なじみが、恋愛感情の自覚がないまま恋人同士になった。

深い心の繋がりが、いつの間にか恋愛感情をもひっくるめていた。

無条件に、いつも一緒にいる二人。

気が付けば、恋人同士…って?





「ち、ちょっと!そんなのあるー?!嘘でしょー?!」



一際大きく高い声を上げたのは、彩里だった。



「あるんだよ。この広い広い世界には」

「で、でも好きとも何とも告白してないのに、お互い好きって言ってないのに、恋人同士の関係がニュートラルってことでしょ?!」

「『好き』でいることが当たり前なんだよ。あの二人には」

「い、いや…ただの親友ならぬ心友ってヤツなんじゃないのぉ?!」

「親友だったらキスするかい!…学校でも道端でも…舌入れてベロベロキスするかい!夜、互いの部屋に忍び込んでエッチするかい!」

「え…」

斗弥子は、私の顔をチラッ見て「ああぁぁ…」と項垂れる。

私には言うまいと思っていたんだろうか。



体の関係、それは噂ではなく本当だったんだ…。



「そ、それ…目撃証言アリなの?」

彩里は身を乗り出して、小声になる。

それに対して斗弥子は静かに頷いていた。