「そ、それは…」
もう、洗いざらいぶちまけるしかない。
こんな胸のわだかまり、抱えていては精神衛生上良くない。
私の失態ではあるんだけど、もう話さなくては…私一人で抱えきれない。
「あ、あのね…」
斗弥子と彩里、二人を目の前に。
私はとりあえず今までの経過を話した。
あの日、学校をサボって球場に駆け付け、蓑島くんの試合を応援出来たはいいが。
勝利の歓喜からか、横川さんは泣きながら蓑島くんに抱き付いて離れなかったこと。
また、蓑島くんも照れながらも背中に手を回して、公衆の面前にも関わらず、二人はハグ状態になっていたこと。
それを見ていた野球部員らは『横マネは蓑島のモン』と言っていたこと…。
昨日は、蓑島くんが寿都の牡蠣を食べに来いと御宅訪問するカタチとなったが。
そこには、横川さんと祖母の菊乃さんも参加していて。
蓑島くんと横川さんは、ツーカーのただならぬ関係のように見えたこと。
寄り添う姿は、もはやおしどり夫婦で、蓑島くんは横川さんを嫁のように扱っていたこと。
そして…祖母の菊乃さんから聞いた、二人のただならぬ関係のことや。
結局…私は家族に『彼女』として紹介してもらっていないこと。
全部、話した。



