…そうか。そうだったんだ。



あの二人のやり取り、様子にショックを受けながらも。

それは、理解出来ないようで。

…でも、心の奥底では、その感覚がわかるような気もして。



何故なんだろう?と思っていた。



(あぁ…)



その答えが、今ようやくわかったような気がする。



私も、知ってるんだ…。





目の前で、クロワッサンを黙々と食べている瞳真を思わず見続けてしまう。

放心しながら。






ここに、いるんだ。

私にも、いたんだ…。



無くてはならない、昔から支え合ってきた存在が。

一緒にいるのが、一番楽だと感じてしまう存在が。

ここに…。





「…おまえ、何ボーッとしてんの」

「…わっ!な、何でも…ち、近い!…もう!」



我に返って気が付くと、瞳真が顔を近付けて私の顔を覗き込んでいた。

かなりの至近距離だったので、心臓が飛び出るくらいに驚かされてしまう。



ビックリした…。

こんなに顔が近くて…。

胸がドキドキしてるじゃない。

胸が…。