…それは、完全に瞳真を避けていた私に原因がある。
瞳真は、ただ約束をすっぽかしただけ。
何回も謝ってくれたのに。
私が、想いに気付いて、勝手に意識して卑屈に遠ざけていただけ。
瞳真は…悪くない。
「…そう言う瞳真は何してんの」
そう思うと後ろめたさもあって、怒ってばかりもいられず、少しの応対をもしてしまう。
何となく視線を逸らしながら。
「俺?走ってきた」
「また走ってたの?」
「うん。毎日走ってるから」
確かに、スポーツウェアを着てるからもしや…とは思ったけど、本当にそうだったとは。
本当に毎日走ってるんだ。
「…で、行くの?」
「…は?」
瞳真の急な振りに、ガクッとくる。
意味もわからなくて、見当もつかない。
「…は?どこに?」
「パンダフル。体がそっち向いてる」
「………」
瞳真の指差す方向を見上げると、目の前にはパン屋さん、パンダフルが。
まさか…行こうと思ってたの、バレてた?!
な、何で…!
「久々に一緒に行くか?」
「え!え…」



