だ、誰!
そう思って振り返ると、その人物にまたしても驚かされる。
「…わっ!な、何してんの?!こんなとこで!」
「いや。そんなに驚くこと?」
私の背後には、思いもよらない人物が。
私がリアクション全開で驚いたにも関わらず、動じる様子もなく首を傾げている。
いったい何なの…瞳真。
「…で、どこ行ってたの」
「え?」
「どこ行ってたんだよ。…そんなオシャレして」
「あ…」
突然背後から現れた瞳真は、私の全身をじろじろと見ている。
蓑島くんに選んでもらった、紫色のTシャツワンピを。
「…なんとかデラックスみてぇ」
「…何ですって!」
そして、ブッと笑う。
吹き出した…!
私の渾身の初めてのオシャレ服を!
蓑島くんに選んでもらったワンピースを…デラックス?!
あの女装している巨漢タレントのことだよね?
グサッとくると同時に、イラッと怒りが込み上げる。
この男…!
「し、し、失礼だね!これ、高かったんだから!で、デラックスだなんて!」



