結果論だけど…単純な私は、結局、蓑島くんのことを気になって、好きになっちゃって。
勝手に盛り上がって、現実を知って。
今こうして、落ち込んでいる。
…いや、私もいけなかったんだ。
失恋の痛手を、誰かに癒してもらうだなんて、甘えた真似をして。
私も、甘かった。
…この『偽彼氏』のオファーには、こんな落とし穴があったんだ。
私が彼を好きになってしまえば。
それはもう、『偽彼氏』でもなんでもない。
ただの恋になる。
結果、もう一回軽く恋をして…軽く失恋をした。
そんな気分だ。
今までのことを考えながら、ボーッと窓からの景色を見つめる。
軽く失恋したワケですが。
実は、なぜかあまり痛手ではない。
そんなに深く突っ込んでもいないし、期間も短い。
物凄く傷付いて泣いてしまうとか…瞳真の時ほどのダメージは、ない。
好きになりかけていた矢先の話だったから、そこまでのダメージはなかったんだろう。
バカなことやらかしちゃったな…ぐらい。
その程度で済んだ、というべきか。
(はあぁぁ…)
やらかした。本っ当にやらかした。



