『…わかった。明日聞く。だから、それまで早まった考えで行動起こすんじゃないよ?』
「え?」
『あんた、悠介と付き合うだかなんだかの時もそうだけど、思い込んで突っ走って良からぬ事後報告が多いからね?』
「そ、そうかな」
『そうだよ!だから、今日は黙って家に帰るんだよ!いい?ステイだからね!』
「うん、わかった…」
とりあえず、斗弥子との通話は終わる。
斗弥子…何か察してくれたみたいだ。
友達、有難い…。
思い込んで突っ走って良からぬ事後報告?
そうかな。
…あ、そうだったね…あぁぁ。
ステイ!って、犬じゃないんだから。もう。
斗弥子に言われたことを思い返しては、『むー…』とした気持ちになる。
バス降りるまでの時間、すでに薄暗くなっている景色を窓から眺めていた。
この景色…。
数時間前の行きのバスでは、いつも蓑島くんが見ている景色を見れたって、あれだけ舞い上がっていたのに。
今は…この景色を、いつも横川さんと見ているんだな、と思うと。
すごく切ない。
(蓑島くん…)
…好きになってたのに。



