お互い無くてはならない、支え合っている存在だとか。
見えない『絆』があるとか。
それは、もうわかってしまったから、いい。わかった。
深い事情がありそうだし。
だけど、この件だけはホント意味がよく分からない。
横川さんという人がありながら、私と付き合おうと言ってきた蓑島くん。
それをオススメする、横川さん。
私、からかわれたんだろうか…とも、思いたくなる。
(………)
一人で考えていると、頭がごちゃごちゃになってきた。
黒い毛糸がごちゃごちゃに絡んで絡みまくって、所々に小さく結び目が出来ちゃってる。
そんな状態。
「………」
バスの座席に深く腰かける中、バッグからスマホを取り出してしまった。
しばらく画面を見つめた後、電話帳検索をしてしまい通話ボタンを押してしまう。
バスの中で通話はマナー違反なので、ごめん!なんて思いながらも。
「………」
しばらくのコールの後。
電話が繋がった。
『…もしもし?!…星月なの?!あんたっ…!』
電話の相手は、私だとわかるとすでにお怒りだ。
「斗弥子…ごめん。今、大丈夫?」



