菊乃さんは、私に微笑みかけたまま、横川さんから熊殺しを奪っていく。

軽く手を振り、大人達の輪の中に入っていった。





「っつーか、牡蠣できてるぞ」




…そうして、私達は大人たちのいるカーポートの傍にあるウッドデッキに連れていかれる。

そこには椅子とテーブルが用意してあり、横川さん、蓑島くん、私、蓑島くんのお姉さんの璃里さん、紫苑先輩と五人でテーブルを囲む。

よく見ると、おじさん達は煙草を吸っているので。お酒も飲んでるし。

未成年たちのスペース、といったところでしょうか…。




私と横川さんが、蓑島くんを挟むという席順。



先日の試合の件もあり、何だか微妙…。



端から見たら何ら気にも留めない席順だが、何?この蓑島くんを取り合ってる感。

画だけだけど。



私、ただ一人で複雑になっている…。



「おーし。どけろー。熱いぞー」


蓑島くんのお父さんが、牡蠣のガンガンごと持ってきてくれて、テーブルの真ん中に置いた。

蓋も開けてくれて、湯気がもくもくと出ている。

中にはゴツゴツした牡蠣がびっしりと入っていた。



「わぁ…すごい!」