「だ、だ、だってこっちの方に来るの、初めてだったんだもん!」

「《どこに連れて行かれてるかわからない!》って?笑えるー。可愛いー」

「…もう!笑うな!」




…と、なんやかんやと到着しましたが。



ふと、口を開くのを止めて、辺りを見回す。

バス停の前には、やたらと広い駐車場を持つコンビニがあるが。

道路を挟んで隣にあるのは、ガソリンスタンド…の、跡地。

すでに閉店した?ガソリンスタンドがあったと思われる場所。

国道鋏んで向かいには、北海道ではお馴染みのチェーンのラーメン屋。

少し離れたところに、カレー屋さん。

ぐらいしか、店がない…。

その間に住宅がぽつらぽつらとある程度…。



そして、視界の奥にそびえるのは…山。

スキー場の山だけではなく、いくつもいくつも山がそびえている。



本っ当に、田舎!



「田舎だって、馬鹿にしてるでしょー」

「…えっ!」



引き続き、まだニヤニヤと笑いかけてくる蓑島くん。

心中見透かされた気がして、ビクッと震え上がってしまった。



そ、そんな、バカにして…。



「ま、行くか。おいでおいで」

「ば、ば、バカにしてないよ!そっちもバカにしないでよね!」



こうして、蓑島くんちにお邪魔することになった私。

しかし、そこは。

未知の世界と。

違和感の落とし穴がある場所だった…。