見た目はやっぱイケメンだし、蓑島くんは洗練されている雰囲気があるから、街中の高級マンションに住んでいそうなイメージだけど。

田舎住まい?

あんなイケメンが、田舎に住んでるの?!



もう一度、窓の景色を見る。

目の前、スキー場なんだけど…。



少し向こうにある雪のないスキー場の山を呆然と見つめる。

すると、バスのアナウンスが流れ、蓑島くんに言われたバス停だと気付く。

降車ボタンを押して、座席を立った。



(あ…)



立ち上がって、ふと見た窓の外には。

…いた。



バス停の傍に立っていて、いつもの悩殺スマイルで、こっちに手を振っている。

蓑島くんだ…!



彼の姿を見つけて、急ぐ必要もないけど、急いでバスを降りる。

蓑島くんは「お疲れー」と呑気に手を振っていた。



「一応市内ですよ?ここは」

「えっ…」

「何不安になっちゃってんの?」

「えっ!」


蓑島くんはブッと吹き出して笑っている。

ニヤニヤとしながら、バカにしたような目で私を見ていた。

なっ…!