何。何なに。
急にベタベタ甘えモードになっちゃって。
卵焼きを食べ終えた蓑島くん。
今度は更にこっちにすり寄ってきた。
距離が近くなって、ビクッとしてしまう。
「あー。幸せ。せづと二人でランチ。あー幸せ」
「………」
ったく、この男。
何で急にこんな。
…あの場面を見てしまったら、こう思わずにはいられない。
(…横川さんとも、こうしてるんでしょ)
ちょっとムッときてしまう。
しかし、その反面。ハッと気付かされてしまうこともあって。
…やだ。やだ、私。
これ、嫉妬…?
(………)
私…そんなにまで、蓑島くんのこと。
好きに…なっちゃったの?
でも…。
何だろう、これ。
何の違和感…?
そんなことを考えないようにと、目の前のお弁当をパクパク食べる。
蓑島くんに、じーっと見られていることにも気付かず。
「…せづ」
「ん?何?」
ふと、顔を上げると。
(…わっ!)
目の前には、蓑島くんのアップの顔がそこに…。
(わわわわぁっ!)