肝心なことを言おうとしたちょうどその時、背後にピッタリと引っ付く感触がして、思わず声をあげてしまった。



「おはよー!マイワイフ!」

「ち、ち、ちょっと!くっつかないで!」



昨日の英雄、蓑島くんだ…。

私の両肩にそれぞれ手を添えて、背後にピトッとくっついてきた。

例の如く、顔が近い!



「ねえねえねえ。何で昨日LINE返事くれなかったの?既読すらしてもらえなくて淋しかったー」

「い、いや寝ちゃってて…」

「俺、昨日あんなに頑張ったのにー」

「………」



淋しかったって…あんた昨日、幼なじみ美少女に喜んでもらってたでしょ。

なのに、淋しかったワケないじゃない。



(………)



…あ。

何…これ。



「…ちょっとぉっ!朝からイチャつこうとしてんじゃないよ!」

蓑島くんの行動を見て、斗弥子はますますお怒りだ。

持っていたノートを丸めて、頭をバコン!と叩かれている。

「とみちゃん痛いー」

と、言いながらも嬉しそう…。

一方、斗弥子は言い返すセリフがないのか、怒りの表情を浮かべたままだった。