教室内では、蓑島くんがクラスのみんなに「新聞見たぞ!すげえな!」と、英雄のように囲まれている様子を横目に。
それを遮るかのようにして、私の前に現れる。
「星月…私、言ったよね?アイツにハマるなって。って、授業抜けて試合見に行くとか、だだハマりじゃないのさ!」
「あ、あ…はい、すみません…」
「ま、まあ…糸田先生からもペナルティ受けたんだし…斗弥子も鼻息荒くしないで」
彩里は庇ってくれてるけど…ツライです。いろいろ。
斗弥子にあれだけ念を押されていたのに。
こういう結果になってしまった…。
もう、反論の余地さえ与えられない。
(………)
しかし、試合は見に行ってしまったけど。
好きになったと言えば、そうなんだけど。
だだハマりかと言ったら…そこはストッパーがかかってしまった。
あの二人のハグの場面が、頭を過る。
このこと…斗弥子に話すべき?
お怒りの様子の斗弥子を目の前に。
「…あ、あのね」
私は口を開きかける。
「あ?何?」
「あ、あの…わっ!ちょっと!」



