「あ、いや…瞳真、何か機嫌悪そうだから。私、昨日夕練出れてないし…美優、同じクラスだから何か知ってるかな?って思って…」
「い、いや。別に何もないと思うけど…心配なら本人に直接聞いてみたら?」
「聞けるワケないじゃん…」
美優の慌てた様子を見て、しまったと思った。
二人の仲は、内緒である可能性が高いのに。
…いや、彼女だから何か知ってるかな?とも思ったりはしたけど。
すると、マネの先輩が話に入ってくる。
「…あぁ、水口?…最近何か集中出来てないって、紫苑先輩が心配してたけど…」
「紫苑先輩が心配?!怒るんじゃなくて、心配?!…相当気に入られてるでしょ!あの鬼のような紫苑先輩が…」
「あ、でも、瞳真くんにもいろいろあると思いますから…」
美優は慌てて弁解してるけど。
でも、瞳真の不機嫌が何となく気になってしまった。
朝練が終わって教室に戻ると。
今度はクレームではない。
説教だ。
「あんたねぇ…昨日のはいったいどういうこと?!」
斗弥子だ。
鬼のような形相で私の前に立ちはだかる。
相当お怒りのようですが…。



