蓑島くん、固まってる。

めったに見せないレアな様子ではあるけど…さすがの蓑島くんもドン引きだったりして。



…でも、ドン引きされようがされまいが、これが今の私の精一杯の応援、出来ることだった。

昔の話を思い出した時、足元の三ツ葉のクローバーたちを見た時、なぜかこれしかないと思ってしまったのだ。



「蓑島くん」



今一度、その指で詰まんでいたままの四つ葉のクローバーを蓑島くんの前に差し出す。



「試合、頑張って…」



強がりで、儚くて弱い。

蓑島くんに助けてもらってばかりの、そんな無力な私の精一杯の応援。

私には武器が限られている。



ドン引きされようが構わない。

何もしなかったと、後悔するよりはマシだから。



「………」



依然、固まり続けている蓑島くん。

ホントにドン引きしちゃった…?



イタイ女だったかな…と、不安になってきていると、蓑島くんが私の差し出している四つ葉のクローバーに手を伸ばす。

しかし、手前でピタッと動きを止めた。



「あぁぁ…もう、おまえぇ…」


すると、今度は急にガクッとうなだれて、頭を落とす。

え…?