…昔、瞳真を含むサッカー少年団のみんなで、それぞれのクラスメイトたちが所属する少年野球チーム、星天ライオンズの応援に行ったことがあった。
星天ライオンズは、全市大会の真っ最中で。
地元のスポーツ少年団絡みで応援しようと少年団の部長が言い出し、私達の学年六年生10人で応援に行くことになったのだ。
相手チーム、三葉井バンキースには体のデカいスラッガーがいる。
とても注目されている選手で、そいつをノラせたらヤバイ。
…だなんて、クラスにいるライオンズの子が話していたのを何となく聞いていた。
しかし当日、いざ応援に来てみると、3-1と星天ライオンズが二点リードしている。
勝ってるよ。
そんな中、トイレに行った帰りに。
そのバンキースの選手と遭遇する。
手当たり次第、草むらを掻き分けている体のデカい坊主の少年と。
多少焦っている様子だったので、放っておけなくて声をかけてしまった。
何か無くしたんですか?
すると、彼は驚きの返答をする。
上げた顔はとても端正で整っており、一瞬ドキッとした。
しかし、その顔立ちとは裏腹に、すっとぼけた事を言ってくれた。
『探しております。四つ葉のクローバー』
『ふーん…え、えぇっ?!』



