私、何でも蓑島くんに貰ってばかり。
ポーチもネックレスもそう。
してもらってばかりだな…。
《頑張って》
せめて、その一言だけは言えばよかった。
自分と戦って、立ち上がって挑む蓑島くんを応援したかった。
…言いたかった。
《意外でしょ?…悠介、他人に不安を見せないから》
…そんな、蓑島くんに。
(私が…)
私、何かしてあげられること。
ないですか…?
《…っつーか、来いよ!》
いやいやいや。そんな。
私が行ったって、どうにかなるものですか?
でも。
何もしなかったら、何もしないままだ。
貰ってばかりの私のまま…。
(………)
《っつーか、試合、見に来てくれ!星月!》
行く…。
ガタッと席を立つ。
あまりにも機敏に立ち上がったので、静まり返っていた教室内に椅子が動いた物音は響いた。
教室内のクラスメイトは、ビックリして顔を上げて物音の方向の私を見る。
視聴率100%。
「杉久保さん…どうしたの?」
教壇にいる先生が振り返って私を見る。
目を丸くして、ちょっと驚いた様子だ。



