うん、私にもわからない。瞳真の言いたかったこと。
だだ滑り。
相変わらず冗談言うの苦手だね。
…しかし、瞳真が去った後。
そのハイテンションのターゲットは私へと向く。
「…おおぉぉっ!マイワイフ!」
うわ…。
私の姿を見つけるなり、更に体を乗り出して手をぶんぶん振っている。
まるで、選挙カーに乗ってお手振りしている人みたいだ。
「…おぉーい!これから行ってくんねぇぇー!おぉーい!おぉーい!マイワイフ!」
そのテンションの高さは更に勢いを強めているようだ。
公衆の面前だからか、返事を返すのになぜか躊躇ってしまう。
み、みんながこっちを見てる!
恥ずかしい…!
これも、不安の表れなの?!
どうしていいかわからず、ただ立ち尽くしていると、更に畳み掛けられる。
私を見る蓑島くんの顔は、まさしく不敵な笑みで、やんちゃな子供のようだった。
「…っつーか、来いよ!」
…来い?
何の意味かわからず、目を見開いてしまう。
呆気に取られた顔をしていたのか、蓑島くんはフッと笑った。
「っつーか、試合、見に来てくれ!星月!」



