瞳真の右耳にキスしそうなくらい顔を近付けて、意地悪そうなドヤ顔を浮かべている。
うひひ…なんて。
「み、蓑島ぁっ!」
「っつーかおまえ、耳弱いの?感じるの?性感帯?」
「違う!…き、キモっ!…離れろ!」
咄嗟に顔を離す瞳真だが、すでに蓑島くんの両手は瞳真の首に回っており、ホールドして離さない。
「んー。おまえ、やっぱ美少年な顔してるわー。カッコ良すぎるな。ムカつく。肌キレイだな?ヒゲ生えてねえの?鼻の下青くない。すげえムカつくー」
「う、うるせえな…キモいから離れろ!」
近付けられる顔から逃れようと、必死に顔を背け、その顔を手の平で押し付けて自分から離そうとする。
しかし、蓑島くんも負けじとその力に逆らって瞳真の顔に近付くのをやめない。
「モテ男の良い匂いがする!…この女たらし!」
「は、はぁっ?!…知らねえし!」
「で?何?俺のいぬ間に俺のワイフに近付こうったぁ、コソ泥か!部活終わったら何すんの!業務連絡は1分以内だぞ!それに業務連絡はおまえのマネと布団の…」
「…それ以上口を開くな蓑島あぁぁっ!」
そのうち、押し合い掴み合いとなり。
取っ組み合ってるのか、じゃれ合ってるのかよく分からない状態となった二人は。
掴み合っているその状態で、徐々に私のいる場所から離れてどこかへ行ってしまった…。



