「こ、これ、食べたかったの!嬉しい!ありがとう!」
あんクロとの遭遇という、ラッキーな突然に素直なお礼が出てしまう。
本当に嬉しすぎて、にやけてしまったのが自分でもわかるぐらい。
「だろ?部活でなかなか開店時間に行けないからな?そろそろ食べたくなってる頃だったろ?」
「その通りだよ。わかってるね?」
「おまえ、昔からこればっか食ってたもんな?また太るなよ?」
「こら!もう太りません!」
「どうだか?」
「もうっ!」
そう言って、勝ち誇ったかのようにフッと笑っている。
瞳真が笑った。
瞳真の笑顔は、やはり美少年だからか、率直に可愛い。
さすが、王子様と言われてるだけある。
それに、普段のクールな態度とのギャップが出て、蓑島くんにも劣らずの悩殺キラキラスマイルだ。
これじゃ、モテるのは当たり前、か。
そんな笑顔を見ていて思うことがある。
…最近、瞳真と普通にしゃべれるようになって。
その数はだんだん増えてきた。
こんな冗談も言い合えるようになってきて。
後藤さんとのあの一件以前の関係に戻ってきたような気がする。
部活でも、話す回数が増えた。
理由はよく分からないけど…。
私自身、ふっきれたからかな。



