二人の唇がしっかりと重なり合うのを、見てしまった。

頭から離れないそのシーンは、生々しく。



…それは、昔の記憶とリンクする。



日の出の橙色の日差し。

二つの影が、一つに重なり合う。



『…星月、ごめん…』



『忘れてた…』




(もう、いいよ…)



瞳真はもう『男』だ。

あの時の『仲間』のままじゃない。



そして、あの時。

私は…気付いてしまった。

私だけが、気付いてしまったんだ。



瞳真への特別な『想い』に…。



まさしく、あの時と一緒だ。

まさか、また同じ状況に遭遇するなんて。





蓑島くんは、横でいたずらに笑っている。



「いやぁー。あの二人、めちゃくちゃベロベロチューしてたな。体くねくねさせてさー?絶対、この後二人で家に帰ってイチャイチャするぞー?うひひ…」

「………」

そうだったんだ…。

蓑島くんが登場して口を塞がれてからは、二人の様子は見えていなかった。