顎を引いて俯くと、鎖骨らへんにその四つ葉のクローバーのチャームが揺れていた。

小指の爪ほど小さくて、シンプルな。

幸運のシンボルが。



強がってばっかで、儚い。

…強がってしまって、幾分の損をしてしまった。

そんな私に。




「似合うー。可愛いー。やっぱシンプルイズベストですな?」



自分のセンスを大いに絶賛して、私の頭をくしゃくしゃと撫でる。

「…もう!髪!」

「もう!ってか。可愛いからキュン死するほど聞きてえわー」

「もう!」




そんな、強がってばっかの私に幸あれ。




…何で、どうして蓑島くんは。

私の心に、そんなに寄り添ってくれるんだろう。

そんなに、背中を押してくれるんだろう。




…何で、私の欲しかった言葉をくれるんだろう。




私は、それに安心させられて。

蓑島くんが後ろにいてくれるなら、もっと前に。

どこまでも、行ける気がする。





「…で、はい。これも」

「これ何…ポーチ?!いつの間に買ってたの!」

「星月がCのロゴマークにうはうはしてるその隙に買ってましたよん?」

「えぇっ!あの時?!」






…強く、なれる気がした。