って、本当に買ってきちゃったの?!

私に…?



「…そんな!そんな高いもの!」

「いやいや。そんなに高くないよ。安物だから気にしないで?」

「でも!」

「まあまあ。で、これ見て?」

そう言って、そのネックレスを私の目の前に差し出す。

ネックレスのチャームが、私の真ん前に現れた。



「…四つ葉のクローバー?」



ぶら下がっていた小さいチャームは、よく見ると四つ葉のクローバーの形をしていた。

飾りのない、シンプルなゴールドの四つ葉のクローバー。



「これ、俺が好きなシリーズのラインなの。四つ葉のクローバーは、幸運のシンボルなんだって」

「………」



これを見て、ふと思い出したのは。

昨日の蓑島くんのスマホケースだった。

蓑島くんって、四つ葉のクローバーが好きなんだ。



「…強がってばっかで、本当は儚い。そんな星月に」



大きくてゴツいその指で、ネックレスのカンを外している。

二つに分かれたチェーンの端をそれぞれ詰まんだまま、私の首に手を回した。

首の後ろで、こちょこちょと指の気配を感じる。

そこから手が離れると、私の首元にそのチェーンがぶら下がって揺れた。



「…そんな星月に、幸あれ」