焦りでぐるぐると混乱する中で、そのまま医務室に運ばれて、そのまま救急病院に連れて行かれる。

手術、治療が必要な程度と即診断され、大会が終わるのを待たずに、一足先に母と一緒に札幌に戻る。

市内の総合病院に薬剤師として働いている瞳真のお母さんと商店街の診療所の先生が、すでに病院を手配してくれて、その病院に改めて診察をしてもらう。

あれよこれよとすぐに入院となった。



実は…この頃のことは、しっかりと覚えていない。



前十字靭帯が断裂したから再建手術をしなきゃならないとか、膝に大量に血が溜まっているだとか。

私に今、何が起こっているのか。

焦りや不安で混乱させられても、手術までの展開が目まぐるしくて、何が何だかわからない。



自分の状況をはっきりと理解してきたのは、手術を終えた翌日、病院のベッドに寝かされていた時だった。

ケガをしてから、2週間後。

夏休みも、もう終わる。



私、これからどうなるの?

サッカーどころか…歩けるの?



手術をしてリハビリをすれば、また前と同じようにサッカーが出来るって言われたけど。

今、足をひとつも動かせないこの状態では、そんなことはイメージしづらく。

ただ、不安と焦りでしかない。