「さすがにそれは飲んだことあるかー」

そう言って笑いながら、私の隣に腰掛ける。

「バカにしないでよね。イオンに移動販売車来てたの。彩里と飲んだことあるし、マネの先輩方のもあるよ」

「女子ってタピオカ好きだよねー。でも、うちの母さんこれダメなの。これ、一杯全部飲めないの」

「これ一杯を飲めないの?」

「何だかお腹が張ってきてもたれるんだって。で、残したタピオカミルクティーを冷蔵庫にしまっておいたら、タピオカがガチガチに硬くなっちゃってて…で、姉ちゃんに『飲まないなら早く言え!』と文句言われてた。母さんかわいそ。姉ちゃんにもキャッサバにもやられて」

タピオカミルクティーを飲みきれない蓑島くんのお母さん…どんな人。



貰ったタピオカミルクティーを啜る。

甘い甘いミルクティーが、体に染みる気がした。



「うん、うまっ」


蓑島くんは、口をモグモグさせている。

イケメンもタピオカを飲むんだなーと思いながら、ボーッと見つめる。



(………)



…その横顔を見つめていると。

何だか、胸に熱いものが込み上げてきた。

再び、目頭もじわっと熱くなってくる。