「ち、ちょっと!」
予想通りの反応に、やはりカッとさせられる。
やはりこの男、この微妙な暴言を笑いに持っていくんだ!
恥ずかしい!ムカつく!最っ低!
「…返せ!」
カッとなった勢いで、彼の手にあるポーチを取り上げようと手を伸ばす。
しかし、ひょいとかわされてしまった。
「このっ…!」
そのポーチを高く掲げたまま、蓑島くんはニヤニヤと笑い続けている。
その余裕綽々感に、更にカチンときた。
「…何で蓑島くんがそれを持ってんのよ!捨てたはずなのに、返してよ!」
私がムキになると「うひひ…」と笑い声をもらしている。
悪っ!悪すぎる!
「何で持ってるかって?…ゴミ箱あさって見つけた。ゴミ箱をあさるミスター。ウケるでしょ?ズベタうんこと同じくらい」
「な…」
ゴミ箱からそれを見つけた…?
「星月の様子が変だったから、ずっと見てた」
「捨てたとこ、見てたの?」
「うん。で、乞食のようにゴミ箱に手を入れた」
うひひ…と笑っている。
「で、何があったか、ゆらに調べてもらったワケ」



