「で、でもっ!蓑島くんっ!…わ、私達、そいつに水かけられたんだからっ!」

「そ、そうよ!そうよ!ホース持って追いかけてきて、恐かったんだからー!」



一人が口を開くと、みんな次々に口を開く。

私の水撒きの刑に対して、批判を蓑島くんにチクるかのように訴えていた。

こいつら…私を悪者にする気か!



すると、蓑島くんはまた「ははっ」と笑う。



「…いやー。俺の彼女、逞しい。カッコいい。素敵。惚れ直した」

「…えぇっ?!」

「っていうか、みんな。その前に寄って集って星月に蹴り入れたり、頭バケツで殴ってるでしょ」

「え?!」

「ゆらがちゃんと動画に収めてるから。犯罪の証拠になるよ?…な?ゆら?」



そう言って、後ろを振り返る蓑島くん。

少し離れたところには、横川さんが立っていてスマホを手にガッツポーズをしている。

横川さん?いつの間に!



「…そーゆーワケで?」



蓑島くんは、今一度彼女たちを見渡す。

悩殺スマイルは、いつの間にかあのドヤ顔に変わっていた。

そのドヤ顔を目にして、みんな一斉にビクッとしている。



「…今後、こういうことやめてね?もし、星月がケガでもしたら、俺、黙ってられないから」