そんな中で、一人表情を崩さないのは、蓑島くん。

あの悩殺スマイルを振り撒いたまま、話始めた。



「ダメだよみんなー。俺の可愛い彼女を寄って集ってイジメたらー」

「えっ…」

「上靴に落書きして水浸しにして捨てたりしてたんでしょ?」

「えっ!な、な…」

「あと俺と別れろって書いた手紙出したとか。やめてやめて。星月に『別れる!』って言われたら俺泣くわー」

「えぇっ?!」

「あと、トイレ中に天井から水ぶっかけたんだって?出来れば水の代わりに俺をぶっかけて欲しかった。そうすれば、星月のトイレしてる姿を…うひひ」



この…変態!

…じゃなくて。



嘘…全部、知ってたの?

…で、ここに来たのは、わざわざ助けに来てくれたの?



何で…?



スマイルをキープしたまま、淡々と彼女たちに問う蓑島くん。

いつもの調子なんだけど…何だか恐い。

問われている彼女たちも恐怖を感じたのか、少しずつ蓑島くんから離れていく。