怒りのあまり、こっ恥ずかしいことを大声で叫んでしまった。

だけど、その恥ずかしさに我に返る間もなく、「あぁ?」「何言ってんだこの女!」と、彼女たちの因縁は続く。





…いや。

それを断ち切るかのような笑い声が響き始めて。

私達は口も動きも止める。




「…あははっ…あははははっ!」




この声…!

腹を抱えて大爆笑しながら、こっちにゆっくりと歩いてくる、制服姿の男が…。




私に散々罵声を浴びせていた女子たちも、目を見張っている。

「きゃっ!」という黄色い声をあげている女もいた。



…それも、そのはず。

彼女たちにとっての『神』が現れた。




「…あはは!…キスもエッチもしたことないのに、ズベタになれるか!って?…そこはなってみようよー。あはは」




私にとっては一応彼氏…の、はずだよね?!

蓑島くん?!



ズベタになってみようって…彼氏の言うセリフですかっ?!

…ちょっとおぉぉっ!