もし…この状態で教室に戻ったら、斗弥子や彩里にいろいろ説明しなければならない。

それは、非常にめんどくさいことになりそうだし…何せ、ズベタうんこのことも説明することになる。



それは、絶っ対に避けたい…!



笑いに持ってかれるし、しばらく引っ張られそうだし。

自分の保身を優先してしまった。



…もちろん、蓑島くんにだって言えない。



あの人のことだから、必ず笑いに持っていく。

ズベタうんこな彼女?

笑われること、間違いなしでしょ。



だから、誰にも言えずにいる。

ホンっト…笑われたくない!

その一心。



「おまえ…恨まれるようなことしたのか?」

「…え、まあ…」



コーヒーを飲んで椅子に座ってくつろいでいる糸田先生に、ズバリと聞かれる。

曖昧だけど、肯定するような返答をしてしまった。



はっきり言って、おもいっきり恨まれるようなこと?だよね…これ。

考えてみれば、蓑島くんは我が校の『ミスター』なんだ。

学校1のイケメン、モテ男なんだ。

そんな彼に、彼女が出来たなんてもんなら、騒がれて恨まれるのも無理はない。



(あぁ…)



いくらオファーされたからって。

蓑島くんに彼氏になってもらうとか、無理があったのかもしれない。

早まったなぁ…。