しかし、その理由はすぐに明らかとなる。

靴箱の中の仕切りのど真ん中に、バーン!と赤い紙が堂々と貼られていた。



…え?赤い紙?赤紙?

徴兵?



しかし、その赤い紙にはマジックでデカデカと罵声とも言えるメッセージが書かれていたのである。




《ミスターと別れろ!》

《このズベタうんこ女!》



…ええぇぇっ!!

あからさますぎる!!



上靴の所在と引き換えに貼ってある、その徴兵…いや、赤い紙を呆然と見てしまう。



ズベタうんこ女…?

何?その微妙な罵言…?



これ、もしかして。

嫌がらせというやつでは…。



まさか…私。

嫌がらせを受けたのだろうか。

いや、あからさますぎるでしょ。

これ、嫌がらせでしょ。



何で?!

だ、誰!



…とは、言うまでもなく。

その赤紙を見れば、誰の仕業か明らかだ。



ミスターと別れろ。

このズベタうんこ女。



後半の罵声はどうでもいいんだけど、まさか。

まさかのまさか。


私が蓑島くんと付き合っているという噂が、もう流れて広まっていて。

それを聞き付けた、蓑島くんのファンの仕業?



…早っ!



…じゃない!