決めたとはいえ、昨日今日の話なので、なんせまだ心の準備が出来ていない。



「…星月」

「はっ!はいっ!」


考え事をしている最中に話しかけられ、ビクッとさせられる。

顔を上げると、瞳真と目が合ってしまった。



「………」



なぜか瞳真は、こっちをじっと見ている。

その視線は、私を焦らせる。



「な、何…?」

「…蓑島とどこ行ってた?」

「え、あ、あ…ちょっと」

「………」



しどろもどろとしてしまう。

そこのところをはっきりと言えない私。

言い切るには、まだ心の準備が…。



しかし、準備なんて待って貰えず。



「…おまえ、昨日のこともそうなんだけど」

「ん、ん?」

「本当に蓑島と付き合ってんの?」



(あっ…)


ついに。

瞳真の口から、とうとうそのセリフが。

聞かれてしまった…。



そんな質問をした瞳真の表情は、至って普通。

ごはん何食べた?などの何気無い会話と同じレベルの質問なんだろう。

…やはり、その程度。



「あ、それは…」



付き合ってるよ。

…と、堂々と胸張って言えないのは、なぜ。

何でだか、言いづらい。






「…付き合ってますけど、何か?」