「…じゃあ、まず手始めにあんたら、来週の開校記念日にデートでもしなさい」

「か、開校記念日?たぶん部活が…」

「サッカー部も野球部も休み。先生たち、ちょうど今年は札教研被ってるみたい」

「えっ!」

「さすがゆらさん、リサーチ済みですな」



で、デート?!

って、恋仲だから仕方ないか…。

って、何するの?どこ行くの?

デートしたことないんだけど…。



不安…。




…しかし、デートどうこう言って不安がっている場合ではなかったのである。



それよりも、大変な騒動がひとつやふたつ。






「…ちょっと、どういうこと?」



(え…?)



屋上には、私達しかいない。

だけど、私達以外の声が、そこにやってきた。



足音と共に、その声の主は姿を現す。



(…え。ええぇぇっ!!)



な、なんでここに登場するの?!

ひょっとして…!



「あ、とみちゃんに瀬高さん」

「あら、とみちゃんどうしたの」



蓑島くんと横川さんも気付いた。

しかし、さほど驚いていない。




何でこの二人が…!



私達の前に現れたのは、私の友人二人。

斗弥子と彩里…!

しかも、二人揃ってムッとしてこっちを睨んでいる!



「星月…」

「は、はい…」

「星月が失恋…?どういうこと?」

「それを慰めるために彼氏のフリして傍にいる?水口ばぎゃふんと言わせる?…何それ」





…マズい。全部聞かれていたようだ。





「あ、あのそれは…!」

「星月!どういうこと?!」




…ああぁぁっ!もうっ!