「紫苑くん、星月のこと相当お気に入りみたい。『悠介とだけは絶対に許さない!絶対くっつけさせないで!』って言われた」
「えっ…!」
紫苑先輩が?何でそこまで反対するの?
…って、この蓑島くんが余程信用ならないってことなのかな。
「…じゃあ、紫苑くんはライバル?璃里がいるのに二股?受けて立つけど?」
「このバカ。そうじゃない。紫苑くんにとって星月は可愛い後輩なのよ。それにあんたのこと鬼畜だと思ってるからね。そんな鬼畜と可愛い後輩を付き合わせられないって思ってるのよきっと」
「あ、そうか…」
「夏休みに取っ替え引っ替え女子とデートしてるのが悪かったわね」
「あ、そうか」
「………」
蓑島くんって、バカなの…?
鬼畜って言われて、「あ、そうか」って納得してるよ?
それでいいの?
「…とりあえず。この何とも中途半端なカップルの成立について、その目的を明らかにしましょう」
横川さんが、そう言って私達の顔を見回す。
中途半端…そうだよね。
このカップルは、正規のルートを経て成立したカップルではない。



