今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。



口は悪いけど、優しい性格をしている。

同期愛が強いし、友達想いだし、子供っぽいところはあるけどノリが良くて面白くて、顔も男にしとくにはもったいないくらい可愛らしいのに、どうしてフリーなんだろう。

あ、そういやこの前、好きな子がいるっぽい反応していたっけな。

それならせっかくのクリスマス、同期と過ごさずその子を誘えばいいのに。

さては……。


「藤原の好きな子って、彼氏持ち?」

「な、なんだよ。急に。つーか、好きな奴なんて別に、」

「往生際が悪いな藤原くんは~、ホシは上がってるんだよ」

「お前、誰だよ」


エントランスへ向かって、長い廊下を並んで歩く。

さすがに今日は残っている人は少なくて、がらんとした社内に響くのは私と藤原の靴の音と喋り声くらいだ。


「そういうお前はどうなんだよ」

「実はね、さっきの企画が上手くできたらデートしてくれる約束してるの」

「……それで、あんなに必死だったのか」


呆れたような視線がこちらに向く。

資料をいっぱい詰め込んだ鞄が重くて肩に掛け直したところ、藤原はそれを奪う様に取って自分の肩に掛けた。