お昼になり、お弁当を手に休憩室へ。長テーブルがずらっと並んでるだけだけど、外食にしない社員も割りと多くて案外、席は埋まって見える。
後ろの方から入っていって、キョロキョロ見回してると、中ほどのテーブルから結衣子が手を振ってるのに気が付いた。

「いただきます」

広げたお弁当を前に、小さく手を合わせ。目の前にいなくても感謝は忘れない。

凪が作ってくれるお弁当は、前の夜ご飯のおかずの残りにプラスアルファ。レパートリーがものすごく多いかって言ったら、そうでもない。三日に一回は玉子焼きが入ってるし、唐揚げのリピート率も高い気がする。
でも。毎日美味しくてしょうがないのは。凪なりの愛情が籠もってるから。・・・それは間違ってないでしょ?、凪。


「・・・で、ケンカになったわけ!」

食べながら、彼氏が勤めてる会社の女の子とラインのやり取りが多いって理由で言い合いになった、と結衣子が愚痴をこぼす。

「あたしといる時にそれやられてさ、話も上の空で聴かれてみなよ?! セリだってムカつくでしょっ?」