「異常事態でしょ!
世界が終わっても起きません。
眠っているのが、
いちばんしあわせなんです、
のあきちんが、徹夜?!」
「そこまですごくない……」
「ナニナニ、天変地異?
それとも……」
そこで一度、言葉を切って。
なぎは美少女ヅラに、悪魔的な微笑を浮かべた。
「あきくんのせい?」
「……ッ!」
なにも飲んでいないのに
あたしは派手にむせてしまう。
……ブザマ。
「このなぎさんに話してごらん?
まあ、聞いたって、
解決はしてあげられないんだけどね。
好奇心、好奇心」
うそぶきながらも
なぎの真っ黒な瞳は
やさしくて。
あたしは今度こそ
心底
肩のちからを抜いた。


