暗い空に、ささやかな星。 ぽっかり空いた穴みたいに、白い月が浮かんでる。 少し強い風に目を細めながら、あたしは、そこに当たり前みたいに立っている人影を見つめる。 驚きなんてしなかった。 こころは、そよがない。 だって、わかってたから。 じいさまの呪いは別にしたって、あたしたちはやっぱり、つながってる。 あたしと、 改まったジャケットを着て、すっとたたずむ少年。 ――明良は。